ユーエルティアの空
The empty other side that returns some time
To the place of the loved person
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終わる夢 始まる願い


怖い

怖い


なにかが近づく

何かが私に触れようとする

誰かの存在を望むことが 罪となるのなら


願いが いつか 祈りにかわって

遠い空の果て 
高く浮かぶ月

何も手の届かない場所にいくのなら
私は祈ることしかできない


暗いくらい 部屋の中
暗い廊下の隅

気づけば、いつからかそこにいる者

私を見てる 夢の中で 現実で
そう、その瞳

全身に黒いローブを纏い 紫の瞳が覗く
細く弧を描くような目が 私を射抜くように

何者?
あの者が現れる時…いつも私だけの時
まるで私にしか見えてないように
あの者は物陰から部屋の隅から私を見つめる

無言で 時に笑みを浮かべて
何かの節目に…かならず



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秘密




城内に無事に戻れたこと…
どうやって着いたか憶えてないくらい


なんとか部屋に入ったのは、夜の祈りの時間の直前

扉を閉めるとまもなく、背中から声が聞こえた
「アーシュさま?お時間ですよ」
いつもの冷たい声、呼吸を整えて…
「わかってるから…すぐにいきます…」
なるべく冷静に…城内は静かでバレてない??と思ってた


フードを外しただけの衣
胸に手をあてて深く深呼吸、呼吸を整えて
外にいる侍女に呼ばれ扉を開ける
目元を隠した者が2人、決められてることをするだけ
いつもの日常に戻っただけ
部屋から出て廊下を歩く 後ろには侍女が2人足音静かについてくる


夜の祈り、沐浴の時間、その場所へ行くまで
つい先ほどまでのぬくもりを思い出してた
呼吸する体、温かさ、耳をつけると聞こえた鼓動
いつもは無表情に歩く廊下だけど
もしも、今、誰かが見ていたら
表情が僅かに穏やかそうに見えたかもしれない
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ぬくもり



あの日
あの風の吹いてた丘であった人

話し込んでて陽が影ってしまった

気付けばもう月が昇り…知らない話に夢中になって聞きすぎて
彼の懐で居眠りをしてしまったみたい

暖かい体温と夜風をしのぐように体にかけられた布、身じろぎ顔をあげた先に視線が重なる

少し照れくさくなって、ふいに顔を伏せてしまったけど


その瞬間気が付いた




ぁっ!!




あれからどのくらいの刻が過ぎただろう…
もう少し、もっとココにいたい想いはあるけど
帰らなきゃ、大変なことになる


彼の懐に治まってた小さな体、がばっと私は顔をあげて
「もう行かなきゃ…私…あの…」
言葉に詰まる、帰りたくない、でも帰らなきゃいけない
紅い瞳が迷いに揺れる


「うん、気をつけておかえり、一人で帰れる?」
見上げた青い瞳の彼からの口調は優しくて、柔らかな表情だった

「大丈夫、帰れる…あの、またっ…」
言いかけて先が続かない、また会える保障はなかったから、それでも私の言葉の代わりのように続く言葉に彼を真っ直ぐ見ることができた
「また、会おう、会えるよ」
その言葉が耳に届いて、うれしく感じた本当に嬉しかったから
その言葉を聞けたから立ち上がり、思いっきり頭を下げて顔をあげる

「ありがとう」
その言葉を私が呟いたけど、聴こえたかな、失礼じゃなかったかな
顔をあげると同時に踵を返して駆け出し、丘を降りたから

振り返らなかったけど、多分彼はあの青い瞳で見送ってくれてるだろう

私は今は誰にも隠れて戻ることだけ
丘を降りて 街を抜けて



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